くわいについて

くわいの原産地は中国とされています。
中国では、食用・製粉として利用され、日本では10世紀ごろから利用されるようになり、その後、宮中料理としても取り上げられ、また、広く正月のおせち料理、お祝い料理として用いられるようになりました。

植物分類では、オモダカ科に属し、矢じり形の葉と地下茎の先に塊茎を作る特徴があります。
福山のくわいは青くわいで、芽は正円形また、あざやかな青藍色です。肉質がしまり、素晴らしい食味をしています。

くわいについて

昔事、福山城より南は芦田川(アシダガワ)によって運ばれてきた土砂が堆積した干潟や海でした。

江戸時代に福山藩10万石が成立するとともに、1622年福山城の築城、城下町の整備が始まり、新田開発がたびたび繰り返され広大な干拓地が出来ました。

くわいについて

この町並みや干拓地に隅々まで芦田川の清水を送るため、七杜(ナナヤシロ)用水など網目状の用水路が造設された。

温暖な瀬戸内の気候と豊富な水がくわい栽培に適していたために、今日の福山くわいの発展の要因となったと思っています。

くわいについて

江戸時代は武家のお正月料理の食材として、お城のすぐ北側を流れる久松用水沿いの本庄、木之庄などで、植付栽培され、大黒町などの八百屋を通じ、おもに城下町で食されていたと思われます。

明治時代になりますと、一般の人々もお正月にはおせち料理を食べ、楽しめるようになり、東京・名古屋・京都・阪神など消費都市の近辺で栽培が増えました。

くわいについて

昭和30年代からは百貨店などが重箱詰めのおせち料理を販売するようになり、お正月には料理を食べるのが慣習となったため、急激に需要が増加しました。

現在でも「芽が出る」縁起のよい食べ物として、くわいの需要はお正月のおせち料理用が圧倒的に多いです。

くわいについて

最近では、古来の風習を守るというのは古臭いかもしれませんが、おせち料理に係る方々、精進料理・懐石料理を作る方々、空揚げチップスなどが好きな子供たちとお母さん方、福山のくわいが届くのを待っていらっしゃるお客様に、確実に福山のくわいをお届けするのが、我々生産者、農協、市場の関係者の使命と考えています。

くわいを栽培する者として、くわいを食べる食文化を承継していかなければならないと思っていますので、どうか末長く宜しくお願いいたします。

くわいについて

くわいの旬の時期

年間流通量の大半は、11月中旬から年明け12月末頃までに集中しています。

また、慈姑(くわい)は、おせち料理に使用する事が多く、おせち料理に大量に消費されますので、年明けには流通量が極端に減ります。

株に付いている慈姑(くわい)をちぎる

おいしいくわいの料理(例)

おいしいくわいのレシピです。

芽出くわいの甘煮

くわいは芽が出る事から縁起物として正月料理に広く使われています。

●材料(4人前)
くわい・・・10個(200g)
出し汁・・・1.5カップ
さとう・・・大さじ2
みりん・・・大さじ3
淡口しょう油・・・大さじ2
くちなしの実・・・1~2個

●作り方
①くわいをきれいに洗って皮が付いたまま湯煮をする。(くわいの表面に亀裂が入るのが目安)
②①を冷まし、くわいの芽を残して皮をむく。
③鍋に出し汁、調味料、くちなしの実(つぶしてお茶パックに入れる)を加え沸騰させる。
④③にくわいを入れ人に煮立ちさせる。
⑤味を含ませるために④を煮汁につけたまま一晩置いて出来上がりです。

芽出くわいの甘煮

くわいのから揚げ

簡単!サクサク!お父さんのお酒のつまみにピッタリです。

●材料(4人前)
くわい・・・小粒(300g)
揚油・・・3カップ
塩・・・少々

●作り方
①くわいはよく水洗いし、水気をきる。
②180℃くらいの油で揚げる。
③2~3分で出来上がり、塩を少々ふりかける。

くわいのから揚げ

くわいチップス

一口サイズで食べやすく、お子様のおやつにもピッタリです。

●材料(4人前)
くわい・・・300g
揚油・・・3カップ
塩・・・少々

●作り方
①皮付きのくわいをスライサー等で1ミリ位の厚さにスライスし、約180℃の油の中へ落とす。(芽を持ってスライスすると、簡単です。)
②①を網じゃくしですくい上げる。
③②に塩をふる

くわいチップス

くわいのふわふわ揚げ

懐かしい揚げパンの様な食感は大人も子どもも大満足。

●材料(4人前)
くわい・・・300g
揚油・・・3カップ
卵・・・1個
小麦粉・・・大さじ4杯
のり・・・5cm角に切ったもの

●作り方
①くわいは藍色の皮をとり、生のままおろし金ですりおろす。
②①に卵、小麦粉を混ぜる。
③②をのりではさんで、油で揚げる。

くわいのふわふわ揚げ